研究概要 |
Treponema denticola ATCC35405のタンパク分解酵素は,菌体からCHAPSによって可溶化された。可溶化した酵素はイオン交換クロマトグラフィー、等電点電気泳動、ゲル濾過によって精製することができた。われわれの精製した酵素はSDS-PAGEによって分子量を求めると、加熱しない場合100KDaであるが、加熱処理や酸処理によって72-, 43-, 38-kDaの3種のpolypeptideに分かれた。3種のpolypeptideのうち72-kDa polypeptideが主要なpolypeptideであった。酵素活性がこの3つのpolypeptideのどの部分にあるかについては精製によっては解析ができなかった。そのため3種のpolypeptideのうちNH_2-terminalのアミノ酸配列を読み、クローニングによって解析を試みた。 得られたNH_2-terminalのアミノ酸配列をもとに72kDa polypeptideと43kDa polypeptideをコードする遺伝子をクローニングした。Southern blotの結果から43kDa polypeptideをcodeする遺伝子と72kDa polypeptideをcodeする遺伝子は非常に近接して存在することがわかった。これらの遺伝子の塩基配列を決定した結果、この2つの遺伝子はタンデムに存在し1つのオペロンを形成していることがわかった。これらの結果から,72kDa polypeptideがタンパク分解活性を担っている可能性が示された。
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