研究概要 |
1.ラット・マウス胎児(ラット:胎齢8日,12日,16日;マウス:胎齢7日,11日,15日),出生直後,生後7日目の舌について形態形成過程を走査電顕・光顕・透過電顕によって観察した.当初,1,2,3とも光顕観察はパラフィン包埋も行う予定でいたが,胎児舌試料はあまりにも小さいため,全ての準超薄切切片を用いて実施した. 2.1と同種,同時期の舌試料において,EGF,に対する免疫組織学的検討をポリクローナル抗体(2種類;抗ヒトEGF,抗マウスEGF)とモノクローナル抗体(2種類;抗マウスEGF E5,抗マウスEGF F5)を用いて光顕レベルで試みた.尚,今回用いたEGFおよびケラチンの免疫組織化学染色に関しては,予備的な観察から,パラフィン包埋試料とエポン包埋試料の間で,若干の染色性の強弱はあるものの,本質的な差異は認められていない. 3.1,2と同種,同時期の舌試料において,各種のケラチン蛋白に対する免疫組織学的検討をポリクローナル抗体(1種類;抗ヒト上皮ケラチン)とモノクローナル抗体(6種類;抗ヒトケラチン8,10,13,14,18,19)を用いて光顕レベルで行った.2,3とも試料の固定,免疫組織化学染色は,当初の計画通り4%paraformaldhyde固定とABC法を用いたが,検出感度は良好であった. 4.1-3の方法で得られた結果については,現在解析を行っているが,EGFの出現は胎齢によって異なる可能性が大きい.また,それに伴って,上皮におけるケラチンサブユニットの分布状態も変化するように思われる.しかし,詳細については,電顕レベルでの免疫組織化学的検討を考え合わせた上で,判断する必要がある.
|