研究概要 |
耳下腺遊離細胞をBio-gel P-2と混ぜ小さなカラムに詰め潅流下で種々のアゴニストのアミラーゼ分泌パターンを解析する方法を確立した。この方法を用いて細胞内カルシウム系を介するアゴニスト(主にcarbachol(CCH)とsubstance P)とcyclic AMP系を介するアゴニスト(isoproterenol)との間のアミラーゼ分泌に及ぼす相互作用を解析し以下の結果を得た。 1.カルシウム系アゴニストとisoproterenolとの間でみられるアミラーゼ分泌の増強効果はisoproterenolがカルシウム系アゴニストの効果を修飾することにより発現する。(カルシウム系アゴニストがisoproterenolの効果に影響しているのではない。) 2.イソプロレテノールの効果はdibutytyl cyclic AMPや細胞内cyclic AMPを増加するisobutyl methlxanthine,forskolinの添加でほぼ完全に再現された。 3.細胞内カルシウムを増加するcalcium ionophore(ionomycin,A23187)やthapsigarginとisoproterenolとの間でも2相性アミラーゼ分泌の増強がみられた。 4.isoproterenolとPDBuとの間ではアミラーゼ分泌に相乗効果はみられなかった。またH-7などC-kinaseの阻害剤は相乗効果に影響しない。 5.isoproterenolはCCHやsubstance Pによる細胞内遊離カルシウム増加作用は増強しなかった。 6.以上の結果はカルシウム系アゴニストと、isoproterenolのアミラーゼ分泌の相乗効果は第2伝達体間の相互作用でおこっていること、多分cyclic AMPが細胞内でのカルシウムの作用の発現を修飾することによっている。
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