研究分担者 |
嶋田 順子 徳島大学, 歯学部, 教務員 (10170945)
大和 香奈子 徳島大学, 歯学部, 助手 (40243711)
一宮 斉子 徳島大学, 歯学部, 助手 (30223845)
林 祐行 徳島大学, 歯学部・附属病院, 講師 (80243707)
中村 亮 徳島大学, 歯学部, 教授 (30034169)
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研究概要 |
P.gingivalisの産生するトリプシン様酵素のなかで,Pase-SとPase-Bとは,前年度に報告したように酵素学的性質,生物活性,免疫学的性質に類似点を多く認めた.そこで,各々の酵素タンパク構造の相同性を調べるため,N末端アミノ酸配列の解析を行った.その結果これらの酵素のN末端アミノ酸配列は10番目は検出できなかったが,7から12番目までのアミノ酸配列が同一で,高い相同性をもつことが明らかとなった. B.forsythusの産生するトリプシン様酵素については,大量培養が可能となったので,菌体から可溶化剤,オクチルグルコピラノシドを用いてトリプシン様酵素を抽出し,部分精製を行い,性質を検討した.最終的に得られた本酵素の回収率は14%,精製度は43倍であった.SDS-PAGEでは約91,76,72KDaの3本のバンドが認められ,酵素活性部位を解析するアフィニティーブロティングを行うと,この3つに対応したバンドが認められた.さらに,それぞれのバンドのゲルを切り出し活性の確認を行ったところ,91KDaのバンドにのみ活性を認めたが,他のバンドに活性を検出できなかった.本酵素の至適pHは8.2-8.6で,至適温度は35-40℃であった.本酵素はジチオスレイトール及びSH基ブロッカーの影響はなかった.アンチパイン,ロイペプチン,TLCKにより阻害された.基質特異性に関してBApNAよりもBLpNAの方が親和性が高いことが明らかとなった.基質としてカゼインを用いた場合,ほとんど分解しなかったが,インスリンB鎖と反応させるとペプチド鎖内部のアルギニンをカルボキシル基側で切断したことから,エンドペプチダーゼであることが示唆された. T.denticolaについては大量培養方法は確立したが,トリプシン様酵素の精製までは至っていない.
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