研究課題/領域番号 |
06671890
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研究機関 | 奥羽大学 |
研究代表者 |
山崎 章 奥羽大学, 歯学部, 教授 (60110459)
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研究分担者 |
阿部 守明 奥羽大学, 歯学部, 助手 (70222669)
大野 朝也 奥羽大学, 歯学部, 教授 (50094941)
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キーワード | 歯原性角化嚢胞 / 骨吸収 / 免疫担当細胞 / マクロファージ / リンパ球 / 免疫組織化学 |
研究概要 |
本学口腔外科において手術により摘出された歯原性角化嚢胞のパラフィン包埋標本の中から炎症性変化を示さないもの7例と示すもの3例を選び、3種類のマクロファージ関連抗体と1種類のTリンパ球抗体の局在をSAB法にて検討した。 1.CD4、CD8サブセットに属するTリンパ球を認識するUCHL-1抗体は非炎症性嚢胞壁ではきわめて少数の細胞のみその局在が認められたが、骨を含む壁では反応性骨増生部に面する部分で陽性細胞の増加が観察された。炎症巣では浸潤細胞に混じって散在性に陽性反応が認められた。 2.CD68抗原を有する広い範囲の単球-マクロファージ系細胞を認識するKPI抗体は炎症巣および壁最外層で骨壁に面する疎性結合組織の部分に陽性反応が観察された。骨組織では反応性骨増生を示す部分に散在する単核細胞が陽性を示すとともに骨表面に存在する多核巨細胞(破骨細胞?)もこの抗体を認識した。 3.組織在住マクロファージ(組織球)を認識する抗体HAM56は骨面に接する部分の結合組織、殊に血管周囲に存在する細胞に頻繁に観察された。炎症巣では細胞浸潤の著しい部分よりは、やや線維化の進行した部分の血管周囲に陽性細胞が目立っていた。骨増生の見られる部分では骨梁間の組織内に陽性細胞が散在性に認められたが、破骨細胞では陰性であった。 4.白血球抗原L1を発現する細胞と反応するMAC387抗体は、血管外では炎症性細胞浸潤の著明な部分に少数観察される以外、壁全体におおむね陰性であった。 以上の結果には固定や脱灰処置による影響があると思われるので、凍結切片を用いた反応を現在試みている。また顎骨離断例の標本を作製、観察中であるが、嚢胞の増大に必ずしも破骨細胞の関与がないと考えられる所見も得ている。
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