研究課題/領域番号 |
06671892
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研究機関 | 日本大学 |
研究代表者 |
福島 和雄 日本大学, 松戸歯学部, 教授 (20009327)
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研究分担者 |
竹内 武男 日本大学, 松戸歯学部, 助手 (90171610)
落合 智子 日本大学, 松戸歯学部, 助手 (20130594)
落合 邦康 日本大学, 松戸歯学部, 講師 (50095444)
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キーワード | Streptococcus mutans / Glucosyltransferase / gtf遺伝子 / ラット齲蝕実験 / 形質転換株 / 齲蝕原性歯垢形成 / 単クローン抗体 / 免疫学的診断法 |
研究概要 |
齲蝕の発症機序解明と予防・診断法の開発を意図して、S. mutans GS5株由来のgtfB、C、D遺伝子をそれぞれ単独発現する3種のS. milleri形質転換株を用いるin vitro、in vivo齲蝕原性実験により3種のS. mutans GTFの歯垢形成及び齲蝕形成における役割を追求した。さらに、それらGTFに対する特異単クローン抗体を用いて高リスク者選別のための診断法に応用可能な免疫学的手法の検討を行なった。その結果、以下のような結論が得られた。 1.KSC43k株を無菌ラットに感染させ40日間飼育したラット口腔から、CTT-SI酵素を安定に発現するKSC43-RT株を再分離した。 2.KSC43-RT株、gtfB発現株KSB8、及びgtfD発現株 NH5を用い人工歯垢形成能を比較した結果、KSC43-RT株のみが単独でガラス壁面上に顕著な人工歯垢を形成した。 3.KSB8株、KSC43-RT株及びNH5株の齲蝕誘発能を無菌ラット使用の動物モデル実験により比較した結果、KSC43-RT株は単独で平滑面及び咬合面齲蝕を、KSB8株は単独で隣接面齲蝕を誘発することが判明した。 4.3種のGTFに対する特異単クローン抗体使用のCross-dot GTFセミ定量法を開発し、それを化学発光試薬使用の高感度法に改良した。 5.高感度法を使用し、S. mutansの標準株及び新鮮分離株のGTF産生性を解析した結果、3種GTFの産生パターンは菌株ごとに大きく異なることが判明した。 以上の結果は、gtfC遺伝子がS. mutansによる齲蝕発症に特に重要な役割を演じていること、本研究により開発した高感度セミ定量法は齲蝕リスクの診断法として有用であること、を強く示唆する。
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