研究課題/領域番号 |
06671897
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研究機関 | 大阪歯科大学 |
研究代表者 |
古跡 孝和 大阪歯科大学, 歯学部, 講師 (40121818)
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研究分担者 |
井上 雅裕 大阪歯科大学, 歯学部, 助手 (50159993)
林 靖久 大阪歯科大学, 歯学部, 助手 (90164970)
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キーワード | X線画像診断 / 診断支援 / X線透過像 / 嚢胞様疾患 / 自動診断システム / エナメル上皮腫 |
研究概要 |
大阪歯科大学歯科放射線科を受診した患者の64%にX線透過性病変がみられ、その中の約40%が歯原性嚢胞や歯原性腫瘍を中心とした嚢胞様疾患であった.嚢胞性疾患の中には発現部位、発現年齢およびX線写真像など大きな特長を有するものも少なくない. これら嚢胞様疾患のX線写真学像を同じ判断基準で評価を行い、X線画像データベースを作成した.このX線画像データベースを利用し、事後確率(発現頻度)の正確な算出を行い、嚢胞性疾患の統計的診断支援の有効性が確認された.次に嚢胞様疾患のX線画像データベースを利用し、疾患の予後の判定が可能性について検討した. 対象はX線画像データベースの歯原性腫瘍(524症例)の中から抽出されたエナメル上皮腫(369症例)から病理組織像が確定した289症例とした.エナメル上皮腫は発現頻度が高いだけでなく、X線写真像や組織型が変化に富んでおり、そのために従来から治療法の選択にはそれぞれのタイプに応じた術式を用いるべきであるとされている.そこで予後の良否にも影響の大きい組織型の予想をX線画像データベースを用いて行った.一部、X線画像データベース項目に追加変更(病巣の大きさ、形、歯根吸収など)を加えた. 結果:1995年の初診6症例に試行した結果、4症例において一番高い事後確率と組織型が一致していおり、術式などの条件を選択する場合の参考資料となると考えられた. 問題点:発現頻度の少ない部位や年齢では全く予想できなかった場合が生じた.画像評価の基準ための参照画像を提示するにも限界があり、X線画像の表現を数値化するのでなく、X線画像そのものを直接数値化し、データに客観性を持たせる検討が必要と思われた.
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