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1995 年度 実績報告書

象牙質再生による歯髄の保存

研究課題

研究課題/領域番号 06671901
研究機関北海道大学

研究代表者

滝田 裕子  北海道大学, 歯学部, 教務職員 (30125330)

キーワード歯髄細胞 / TGFβ / 細胞分化
研究概要

本年度は実験計画の最終年度にあたるので、歯髄細胞に用いる実験を主として行った。歯髄の細胞中には多分化能を有する細胞が少数ながらも存在しているので、適当な条件をこれらの細胞に付与できれば硬組織を形成しうる細胞へと分化させることができると思われる。申請者の教室ではこれまで骨髄細胞を用いて、同様の実験を行ってきた。骨髄中には歯髄に比べ大量の多分化能を有する細胞が存在するので、ここから得られる結果は歯髄細胞にもあてはまることが十分予想される。骨髄細胞の骨芽細胞への分化はデキサメゾンによって誘導されることが知られている。最近骨芽細胞への分化はI型コラーゲンマトリックスによっても誘導されることが明らかとなった。この誘導はI型コラーゲンに特有でIIからV型コラーゲンにはこのような効果は認められなかった。一方コラーゲンマトリックスによる誘導は、成長因子の1つであるTGFβにより促進された。以上のような結果が骨髄細胞を使用した実験より得られているので、歯髄細胞も同様の条件で行った。歯髄細胞をデキサメゾン処理をしても分化の誘導は認められず、またコラーゲンマトリックスによっても誘導は惹起されなかった。このことは歯髄細胞中に多分化能を有する細胞が存在するものの、骨髄細胞中のそれに比べ細胞数や細胞自体の反応性が低いためと思われる。そこで骨髄細胞で最も良く骨芽細胞へ分化した条件である、TGFβ含有コラーゲンマトリックス上で歯髄細胞を培養したところ、アルカリフォスファターゼ活性が検出された。しかし骨芽細胞の形質である石灰化結節の形成は認められなかった。以上の結果はこれまでの培養条件では、骨芽細胞が硬組織を形成する細胞へと分化は認められなかったものの、硬組織形成細胞へ分化する可能性があることを示している。

  • 研究成果

    (1件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (1件)

  • [文献書誌] Takita H.,Kuboki.Y,: "Conformctioncl chanzes of bocine bone osteonectin induced by interaction with calcium" Calcif.Tissne Int.56. 559-565 (1995)

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公開日: 1997-02-26   更新日: 2016-04-21  

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