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1995 年度 実績報告書

炎症性歯周組織におけるインターロイキン-8産生機構に関する分子生物学的研究

研究課題

研究課題/領域番号 06671912
研究機関岡山大学

研究代表者

高柴 正悟  岡山大学, 歯学部, 助教授 (50226768)

研究分担者 鷲尾 憲文  岡山大学, 歯学部・附属病院, 助手 (40263602)
村山 洋二  岡山大学, 歯学部, 教授 (50029972)
キーワードIL-8 / 歯肉線維芽細胞 / 皮膚線維芽細胞
研究概要

インターロイキン-8(IL-8)好中球走化因子であり,生体防御に重要な役割を果たしている.In vitroの研究で我々は,ヒト歯肉線維芽細胞はIL-8を産生することを明らかにしている.しかし炎症局所においてどのような細胞がIL-8を産生するのか,歯周炎の病巣におけるIL-8産生の動態は明確にされていない.そこで微量の遺伝子産物を特異的に検出することができるin situハイブリダイゼーション(ISH)によって,マウスモデルを用いてin vivoでの線維芽細胞がIL-8を産生するか否かを明らかにしようとした.
1.健常皮膚組織では,外来性のIL-1βまたはTNF-αの刺激によって,角化細胞と血管内皮細胞がIL-8遺伝子を強く発現した.真皮の線維芽細胞は発現しなかった.
2.歯肉線維芽細胞を培養し,継代を重ねることによって,無刺激でもIL-8遺伝子を発現するようになった.
3.以上の結果は,歯肉線維芽細胞がIL-8産生細胞になるためには,遷延化した炎症によって細胞分裂を重ねることの必要性を示唆する.
一方,歯周炎罹患歯肉からはIL-8産生細胞の検出は困難であった.炎症の初期に産生されると考えられるIL-8は、採取された歯肉ではすでに発現のピークを越えてしまっているのかもしれない.他の研究者の報告と照合するときには,歯周炎罹患歯肉の炎症状態に注意を払う必要があるのかもしれない.
以上の結果から,歯肉線維芽細胞は,炎症を伴わない歯周組織ではIL-8遺伝子を発現しないが,炎症の発症によってIL-8遺伝子を発現する細胞に変化する可能性がある.

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公開日: 1997-02-26   更新日: 2016-04-21  

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