研究概要 |
疲労破壊試験機を試作し,ISO規格に準じた曲げトルク,破断トルクと破断角度の測定および破断状態の電顕による観察をこれまで臨床で使用されているステンレススチール製根管治療用器具3社製品のリ-マ-,Kファイル,Hファイルとチタン合金製の1種について行なった.この結果は,岩手医科大学歯学会に昨年報告され,さらに新たな知見を加え,本年6月に開催される臨床歯内療法学会に発表の予定である. 試作試験機はISO規格試験を行なうに十分な機能を有する物であった.本試験機はISOに準じた規格試験機として一般化される可能性がある.また,問題点の1つであった,把握部分でチャック切や変形は,我々が開発してアルミチャック法を採用する事により,問題点を回避できた.この事は,破断部の電子顕微鏡による観察で明らかにされた. 繰り返しねじり試験による疲労破壊は,90度ねじり1,000回付近であるとの予測が出来たが,疲労試験は膨大な時間を必要とする事からデーターをまとめて報告するには至っていない.疲労破壊を生じるねじり回数の推測値が分かった事は,疲労破壊現象の解明に大きな一歩と成ったと考えている.
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