平成6年度、薬学部薬品製造化学教室における成果 無水ピリジン中に溶解したキシリトールに触媒ジメチルアミノピリジン(DMAP)でアルゴンガス気流下、メタクリロイルクロリドを滴下する方法を用いてキシリトールモノメタクリレートエステルの合成に成功している。本合成法において溶媒である無水ピリジン、およびアシル化に要するメタクリロイルクロリドの至適量はキシリトール1等量に対して各々、18.55等量、1.3等量であることが確認された。さらにピリジン留去後、化合物中のキシリトールモノメタクリレートエステルは薄層クロマトグラフィーでRf=0.3(展開溶媒EtOH:CHCl_3=7:3の時)の位置に展開され、この化学構造は^1H核磁気共鳴スペクトルおよび赤外線吸収スペクトルによって確認されている。以上のように均一溶媒中に酸クロリドを滴下する方法でキシリトールモノメタクリレートエステルの合成に成功したものの、本合成法による収率は24.4%程度であり、現在ソルビトールモノメタクリレートエステルの合成とともに水酸基の部位に保護基を用いた合成法を検討している。
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