研究課題/領域番号 |
06671926
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研究機関 | 昭和大学 |
研究代表者 |
真鍋 厚史 昭和大学, 歯学部, 講師 (40199906)
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研究分担者 |
中山 貞男 昭和大学, 医学部, 講師 (00054007)
吉田 武美 昭和大学, 薬学部, 教授 (20138415)
飯島 正文 昭和大学, 医学部, 助教授 (20010449)
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キーワード | デイティンプライマー / HEMA / アレルギー反応 / GPMT |
研究概要 |
近年、患者の強い審美的要求から、高分子材料やセラミックスなどの歯質色調性が類似している材料が頻繁に応用されるようになってきた。その際特に象牙質とコンポジットレジンやセラミックスを化学的に接着させる目的で、デンティンプライマーやデンティンボンディング材が開発、市販されている。しかしながら、このようなモノマーと術者手指が頻繁に接触することにより、時として強い掻痒感をともなう炎症を惹起することが観察される。そこで平成6年度はこれらモノマーによる累積皮膚刺激性とアレルギー性皮膚炎の有無をモルモットを用いて検討した。今回実験に使用したモノマーはレジンの象牙質接着性を飛躍的に向上させる2-Hydroxethyl Methacrylate(HEMA)水溶液と当教室で試作され高い接着力を確認しているデンティンプライマーGlyceryl Methacrylate(GM)水溶液、すでに皮膚為害性が報告されているMethyl Methacrylate(MMA)、およびこれらモノマーの基本骨格であるメタクリル酸単体の4種類である。その結果、累積皮膚刺激性試験では、メタクリル酸は濃度依存的に強い炎症性反応を示した。一方、アレルギー性試験の結果、4種類ともI型からIII型までのいわゆるアナフィラキシ-反応は認められなかった。さらに、IV型アレルギー反応の有無を確認するためにGuinea Pig Maximization Test(GPMT)を試みた。その結果、HEMA水溶液はモルモットに対し高い感作能を有し、しかもいったんEHMA水溶液に感作された動物は他の3種類のモノマーとの交差反応も観察された。今後は、さらにHEMA水溶液の感作、誘発至適濃度の確認と、市販品での皮膚刺激性も重ねて観察する予定である。
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