研究課題/領域番号 |
06671943
|
研究機関 | 東京医科歯科大学 |
研究代表者 |
川口 哲司 東京医科歯科大学, 歯学部, 助手 (40161294)
|
研究分担者 |
中林 宣男 東京医科歯科大学, 医用器材研究所, 教授 (30014020)
大井田 新一郎 東京医科歯科大学, 歯学部, 助手 (10114745)
山崎 安晴 北里大学, 医学部, 助手 (00210401)
|
キーワード | 骨誘導タンパク質 / カプセル化 / 担体 / 生体分解性 |
研究概要 |
本研究は、骨誘導タンパク質(BMP)を高分子化合物を用いてカプセル化し、BMPの放出制御能を有する坦体(キャリアー)を開発する目的で実施された。ポリ乳酸とポリグリコール酸の共重合体がカプセル化材料として使用され、水中での界面沈澱法により平均粒径約1ミリのBMP含有カプセルが定量的に得られることが確認された。In vitroの実験では、リン酸緩衝溶液中でカプセルの60%以上が一週間で分解された。また蛍光標識されたBMPを用いてカプセルからの放出を調べてみたところ、3日目から急速にBMPの放出が促進されることが確認された。更に、In vivoでの実験では、ラット皮下組織に移植されたBMP含有カプセルは3週間で完全に分解され、骨組織に置換された。 BMPによる異所性骨誘導を達成するためには、どれだけBMPを効率良く標的細胞に反応させるかということが重要である。しかし、従来のようなBMPと高分子化合物の単なる複合体では、BMPの放出をコントロールすることはできず、移植されたBMPが効果的に標的細胞に作用している可能性が少ない。これに対してBMP含有カプセルは今回の実験結果からみても、放出制御能を有した効果的なキャリアーシステムであり、臨床応用への期待が強くもたれる。今回の実験では、牛骨より精製されたBMPを用いたが、今後は更にリコンビナントBMPのカプセル化を行い、カプセルの性状と骨誘導活性の関係を調査する予定である。
|