研究概要 |
1.dense HA implantの植立強度に及ぼす咬合負荷の影響 成犬6頭の抜歯窩が治癒した左・右それぞれの下顎骨に直径4.5mm長さ9.0mmのdense HA implantを3本ずつ,6頭で計36本を埋入した.3ケ月後,一側のimplant3本にのみ支台部を合着するとともに,通常の高さでの対合歯との咬合関係を与えた.咬合開始後3カ月で3頭,6カ月で2頭の顎骨を摘出し,オートグラフを用い左・右側implantのpush-outテストを行った.その結果,咬合させたimplantの個体あたりのpush-outの平均値は3カ月のもので202.3kgf,139.3kgf,85.3kgfまた6カ月で212.3kgf,149.0kgfであった.これらの値はそれぞれの固体の完全埋入のimplantの値に比べ3カ月で18%,15%,29%また6カ月で38%,36%高かった. 2.dense HA implantとHA-coated implantの植立強度の比較実験 成犬7頭の抜歯窩が治癒した下顎骨及び寛骨の一側に直径4.0mm長さ9.0mm(HA部分8.5mm)のdense HA implant49本を埋入するとともに,反対側の同部位に直径4.0mm長さ10.0mmのHA-coated implant49本を埋入した.埋入3週から10カ月でそれぞれの骨を摘出し,オートグラフを用いpush-outテストを行い,左.右同部位に埋入された両implantのpush-out値を下顎骨,寛骨別々に比較した.その結果,HA-coated implantに対するdense HA implantのpush-out値の比は埋入期間が長くなるにつれ上がる傾向がみられ,特に下顎骨では有意(P=0.01)で,比=4.14×月数(%)+62.3%と表せた.
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