研究課題/領域番号 |
06671949
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研究機関 | 大阪大学 |
研究代表者 |
岡崎 正之 大阪大学, 歯学部, 助教授 (30107073)
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研究分担者 |
前田 芳信 大阪大学, 歯学部, 助教授 (10144510)
寺岡 文雄 大阪大学, 歯学部, 助手 (00099805)
荘村 泰治 大阪大学, 歯学部, 講師 (10154692)
高橋 純造 大阪大学, 歯学部, 教授 (80029149)
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キーワード | アパタイト / コラーゲン / ハイブリッド型複合体 / 生体力学特性 / 生体親和性 |
研究概要 |
生体が複雑な高機能性を有するハイブリッド型構造になっていることは材料学的に見て非常に興味深い。我々はこのような生体特性に出来る限り近いバイオミメテック生体材料の開発を目指している。本研究の特色は、強度の高いアパタイトをコアーとして表層に、より生体アパタイトに近い炭酸アパタイトをコーティングしたハイブリッド型アパタイトを合成することにある。また、アパタイトとコラーゲンとにより複合体を作成し、これら複合体をさらに複合化することにより緻密骨と海綿骨のようなハイブリッド構造にすることも、本研究の独創的なところである。既存の合成装置を用い、すでに確立しているアパタイトの合成方法により、海綿骨用として結晶性と化学組成が骨アパタイトに類似した炭酸アパタイトを合成し、X線回折、あるいは備品のイオンメーターを用いて化学分析により同定した。また、既に研究を進めている不均質系アパタイトの合成法を利用し、緻密骨用として強度の高いアパタイトをコアーとし、表層を炭酸アパタイトで覆った2層構造を有するアパタイトを合成することができた。目下、ハイブリッド型アパタイトの生成の有無についてSEM・TEM観察を行うと共に、結晶表面の元素分析によりその是非を確認しつつある。ハイブリッド型アパタイトの合成は、ほぼ計画通り行うことが出来たが、厳密な意味でのハイドロキシアパタイト-炭酸アパタイト2層構造の検証は容易ではなかった。というのも、エネルギー分散型表面分析では、以前のようなMg,Fと異なりCは適当な指標にはなり得なかった。来年度は、HR-TEMを用い結晶の形状や断面の電子線照射によるダメ-ジの違い等を検討することにより、2層構造の厳密な分析を行い、複合体への応用の礎にしたい。
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