研究概要 |
インプラント上部構造モデルの形態は単冠・ブリッジ、インプラント体のモデルはシリンダータイプ,漏斗状タイプ,ラウンドタイプの3形態とした。咬合条件は、1)頬側咬頭内斜面のみ2)舌側咬頭内斜面のみ3)両方の3様式についてインプラントモデルの長軸方向に対し平行になるように荷重を加えた。単冠モデルにおいてインプラント体の骨への応力は、先端形状が丸と漏斗状が角と比較して、応力を分散する様相を示し、角はインプラント体の他の部分に比較すると、先端の角の部分で特に応力が強くなる傾向が認められ、ネック部に応力が集中する傾向が認められた(1)は頬側側2)は舌側側3)は舌側側、ただし、3)の場合はインプラントモデル全体でみると周囲骨全体に応力分散し、舌側のネック部にやや応力が集中する傾向が認められる程度であった)。ブリッジモデルは下顎(5)6(7)ブリッジについて、同様に荷重を加えた。ダミ-の連結部からインプラント体のネック部にかけて応力が集中する傾向がみられ、単冠モデルと応力分散の方向に違いがあることが示された。また、3種類の形態に長径10mm,14mm、直径3mm,4mmの条件を加えた12種類の形態について、下顎大臼歯相当部にインプラントを埋入したモデルを作製した。荷重は閉口筋を想定し、下顎骨頬側部より咬合面方向にインプラント長軸と平行に加え、フラットな咬合面で完全拘束し行った。シリンダータイプ・ラウンドタイプではフィクスチャー先端部に応力が集中して周囲骨に応力分散し、漏斗状タイプはフィクスチャー全体から応力分散する傾向を示した。また、長径10mmが14mmよりも、直径3mmが4mmよりも最大応力値は高い傾向を示した。フィクスチャー形態の違いにおいては、周囲骨に対する応力分散は漏斗状タイプが優れており、また、長径が長く直径の太いものではネック部の応力集中が小さく、最大応力値は小さくなることが示された。
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