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1994 年度 実績報告書

口腔領域の悪性腫瘍、前癌病変における遺伝子異常の解析とその生物学的、臨床的意義

研究課題

研究課題/領域番号 06671984
研究機関北海道大学

研究代表者

千葉 逸朗  北海道大学, 歯学部, 助手 (50250460)

研究分担者 進藤 正信  札幌医科大学, 歯学部, 助手 (20162802)
野谷 健一  札幌医科大学, 歯学部, 助教授 (70113602)
藤永 惠  札幌医科大学, 医学部, 教授 (10045338)
キーワード口腔癌 / 癌遺伝子 / 腫瘍抑制遺伝子 / P53遺伝子 / ヒトパピローマウイルス / 予後
研究概要

申請者は北海道大学歯学部附属病院口腔外科を受診した患者を対象に、生検、あるいは外科切除され、病理組織学的に扁平上皮癌と診断された腫瘍組織を用い、p53遺伝子の異常について研究を行った。さらにp53遺伝子産物に結合し、腫瘍抑制遺伝子の作用を不活化することが知られているヒトパピローマウイルス(HPV)DNAについても同じ組織を用い検索を行った。その結果、p53遺伝子は38例中9例(23.7%)に異常を認め、HPV DNAは8例(21.1%)に同定された。p53遺伝子に異常が認められ、かつHPVの感染が認められたのは2例であり、共に下顎骨中心性腫瘍であり、顎骨内上皮性腫瘍の成因についてさらに検討が必要であると考えられた。臨床データとの比較は、p53遺伝子の異常、あるいはHPVの感染の認められる症例(15例、39.5%)と、両者とも認められない症例(23例、60.5%))で行った。年齢、性別、腫瘍の大きさ、リンパ節転移の有無、喫煙歴、飲酒歴などでは両群間で差は認められなかったが、p53遺伝子異常(+)、あるいはHPV DNA(+)の症例では、ともに認められない症例に比較して有意に予後が良好であった。従って、p53遺伝子の異常、あるいはHPV DNAが口腔癌の発生に重要な役割を果しているが、p53遺伝子、あるいはHPV DNA以外で予後不良を規定する遺伝子が存在する可能性が示唆された(第86回米国癌学会にて発表)。

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公開日: 1996-04-08   更新日: 2016-04-21  

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