研究概要 |
骨形成タンパク質(Bone Morphogenetic Protein,以下BMPと略す)は、骨誘導物質としての作用とともに、固体の発生過程での形態形成においても非常に重要な役割を担っているものと考えられている。 我々は、BMPの作用メカニズムを解明するため、BMP遺伝子およびBMPレセプター遺伝子のクローニングとその発現の検索を行ってきた。予備実験の段階では、新生児マウスの下顎に複数のタイプのBMP遺伝子の発現が確認されていたが、実際にそれらをクローニングすることはできなかったことから、クローニングには目的とする遺伝子の発現量のさらに多い組織が必要であると考えられた。 我々は、ヒト歯髄の初代培養細胞にBMP遺伝子が発現していることを見いだし、3種類のBMP遺伝子(BMP-2,-4,-6)をクローニングした(Takeda, K. et al.: Bone,15: 467-470,1994)。また、ラット皮下にBMPを移植し、異所性に誘導した骨形成組織をクローニングのソースとして用いたところ、2種類のBMPレセプター(BMPタイプIAレセプター、BMPタイプIBレセプター)のcDNAをクローニングすることができた。さらに、ラット歯髄細胞株RPC-C2Aより作製したcDNAライブラリーから、ラットBMPタイプIAレセプターの全長cDNAのクローニングに成功した(Takeda,K.et al.:Biochem.Biophys.Res.Commun.,204:204-209,1994)
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