研究概要 |
目的)情報伝達系に関与する低分子GTP結合蛋白質が、内分泌および外分泌を問わず分泌細胞の分泌顆粒膜に存在し、これらの蛋白質分子が開口分泌に関与している可能性が示唆されている。そこで、ラット耳下腺腺房細胞における低分子GTP結合蛋白質の局在を明らかにすると共に、分泌顆粒膜に存在することが予想される低分子GTP結合蛋白質と新規蛋白質分子群を解析し、アミラーゼ開口分泌の活性化機構の一つとして機能し得るか検討する。 方法と結果) 1.酵素処理して得られたラット耳下腺遊離腺房を用いて細胞質および細胞膜画分を得た。また、分泌顆粒はHopferらの方法に準じてpercoll-gradientにより分離し,Burgoyneらの方法により分泌顆粒膜を調整した。 2.得られた分離した画分にたいして、GTP-overlay assayにより低分子GTP結合蛋白質の存在を検討したところ、細胞膜画分と分泌顆粒画分にその存在が認められた。すなわち20kd-25kdに主たるバンドが2本みられた。 3.さらに、低分子GTP結合蛋白質の存在が明らかになった細胞膜と分泌顆粒膜について2次元電気泳動で蛋白質展開後,GTP-overlay assayにより塩基性の蛋白質スポットが観察された。
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