研究課題/領域番号 |
06672026
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研究機関 | 東京歯科大学 |
研究代表者 |
野々山 進 東京歯科大学, 歯学部, 助手 (80172807)
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研究分担者 |
藤島 浩 東京歯科大学, 歯学部, 助手 (80199314)
森本 光明 東京歯科大学, 歯学部, 助手 (90174458)
坪田 一男 東京歯科大学, 歯学部, 助教授 (40163878)
片桐 重雄 東京歯科大学, 歯学部, 教授 (70085752)
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キーワード | 口腔乾燥症 / シェ-グレン症候群 / 表面温度 / 直上湿度 |
研究概要 |
口腔乾燥を無侵襲・簡便に測定診断するために、水分蒸発量測定・口腔粘膜表面温度測定という新しい試みを行った。 水分蒸発量測定における適切なセンサー部接触面積・容積について検討した。測定部位を口唇腺生検所見と対比する意味で、下唇粘膜部としたため、下唇部をカバーできる面積は3.14cm^2が適当であった。十分な湿度の上昇を得られる容積は、30mlでは不十分で、45mlが適当であった。接触部の材質としてはガラスだと外気温の影響を受け易いこと、そして消毒の面から、硬質プラスチックを応用した。この規格にて、湿度40%での水分蒸発量測定を行った。結果は現在のところ健常人では3.37±2.24g/m^2.h、シェ-グレン症候群患者においては2.84±1.0g/m^2.hを示した。 口腔粘膜表面温度測定は、あまり測定範囲を狭めると、血管上・小唾液腺上で温度差があり再現性が得られないため、下唇粘膜部下唇より内方1cm、直径約1cmの円内を測定部位とした。結果は健常人では平均1.4±0.6℃の温度低下を示した。この変化は平均84.4±38.5秒後に生じ、その後は表面温度は上昇傾向を示した。これは下唇部の唾液が蒸発する時の気化熱により温度低下が起こり、その後は血管よりの温度の供給により上昇するものと思われる。最低温度までの時間は、唾液量とその性状に依存していると思われるが、薬剤による唾液性状の変化をみる上でかなり有益な検査法に成りうると思われる。ただし、この検査法は外気温・湿度の影響を受け易い欠点があり、このあたりの因子をどう排除するかが今後の課題である。
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