| 研究概要 |
我々はこれまでに口唇口蓋裂を発生する原因は,環境要因,つまり母体にあるのか,それとも遺伝要因,つまり卵自体にあるのかを検討するため、受精卵移植をおこなった結果、口唇口蓋裂,口蓋裂は認められず、環境要因の強い関与を示唆した。
本研究において,受精卵移植法により得られた胎仔の次世代を,通常のごとく育種し,口唇口蓋裂の発現率および他の外表奇形をみることにより,母体要因と遺伝的要因の関連性を検討した。その結果,これまでに口唇口蓋裂非発生マウスのC57BL/6系マウスを母体に用い,口唇口蓋裂自然発生マウスのA/J系マウスの受精卵を移植したところ得られた全ての胎仔において口唇口蓋裂が発生しなかったという結果を報告したが本年はこの実験をさらにすすめこの結果を受けて現在のA/J系マウスを母体に用いC57BL/6系マウスの受精卵を移植し,得られた胎仔の口唇口蓋裂発現について観察を行っており、得られた胎仔は9頭,その内顔面領域に奇形の発生した胎児が1頭確認されている。また成果を以下の如く学会発表した。口唇口蓋裂発生に関する実験的研究第81報受精卵移植における次世代の口唇口蓋裂発現率について(1994年6月第18回日本口蓋裂学会)口唇口蓋裂発生に関する実験的研究第85報受精卵移植を行った口唇口蓋裂発生マウスにおける第2世代の発現率(1994年7月第34回日本先天異常学会)
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