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1995 年度 実績報告書

歯根表面に吸着する唾液蛋白質の解明および細菌付着について

研究課題

研究課題/領域番号 06672050
研究機関岡山大学

研究代表者

岸本 悦央  岡山大学, 歯学部, 助教授 (20091316)

キーワード唾液 / タンパク質 / 吸着 / 口腔細菌 / ペリクル / 齲蝕 / 歯根面
研究概要

細菌の口腔組織への付着は口腔疾患の発症に重要であるが,歯冠面に較べ有機質に富む歯根面では,吸着している唾液タンパク質が異なる可能性が考えられた。本研究では,抜去歯(歯冠面,歯根面)と合成ハイドロキイアパタイト,つまり硬組織表面を採取唾液に暴露し,唾液タンパク質を吸着させた。吸着しているタンパク質をサンプルバッファーを用いて回収し,直ちにSDS-PAGE電気泳動法を用いて分離した。泳動ゲルは銀染色し,染色されたバンドから,顎・舌下腺唾液中には分子量約300,180〜145,86,60,59,55,43kilodaltonのタンパク質バンドが認められた。このうち根面に吸着したタンパク質で回収・検出された主なタンパク質バンドは分子量180〜145kilodaltonのものであった。歯冠面、歯根面あるいは合成ハイドロキイアパタイトからの回収サンプルの泳動パターンに大きな違いは認めなかった。つぎに,全唾液には分子量300〜200,86,66,60,55kilodaltonのタンパク質バンドを認めた。硬組織を全唾液へ暴露後,吸着タンパク質の回収を試みたが,バンドを検出できなかった。電気泳動分析時,顎,舌下腺唾液と較べ,全唾液では分離ゲル内に入らない物質が多量に認められた。全唾液では硬組織表面に吸着しやすいタンパク質が,凝集に組み込まれて,硬組織に吸着できなかったのではないかと考えられた。放射能ラベル細菌の精製唾液タンパク質被覆硬組織表面への吸着実験は,主な吸着タンパク質はStr eptococcus mutansよりもStr eptococcus sanguisの吸着をより促進した。これは歯垢形成初期における歯垢中の細菌の分布とも一致している。これまで我々が研究を進めてきた付着促進タンパク質はS.mutans付着促進活性は極めて高いが,唾液含有量は少ないので他の検出法の使用が必要である。更に等電点電気泳動の結果は歯面吸着タンパク質を含む高分子量タンパク質はpl 5付近の等電点を持つ酸性タンパク質が主であることが示唆された。

  • 研究成果

    (1件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (1件)

  • [文献書誌] 岸本悦央 渡邊達夫: "歯根面に吸着する唾液タンパク質について" 口腔衛生学会雑誌. 45. 594-595 (1995)

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公開日: 1997-02-26   更新日: 2016-04-21  

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