研究課題/領域番号 |
06672059
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研究種目 |
一般研究(C)
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
矯正・小児・社会系歯学
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研究機関 | 徳島大学 |
研究代表者 |
弘田 克彦 徳島大学, 歯学部, 助手 (60199130)
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研究分担者 |
根本 謙 徳島大学, 歯学部, 助手 (10218274)
小野 恒子 徳島大学, 歯学部, 講師 (40035514)
三宅 洋一郎 徳島大学, 歯学部, 教授 (80136093)
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研究期間 (年度) |
1994 – 1995
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キーワード | 心疾患 / レンサ球菌 / 川崎病 / sialyl Lewis^x / translocation |
研究概要 |
小児に好発する後天性心疾患の発症に関与する齲蝕原性口腔連鎖球菌の菌体成分の解析を、全身へのtranslocationの解明という観点から実施した。我々は既にA群溶連菌にセレクチン分子のリガンドであるsialyl-Lewis^x (sLe^x: Neu5Acα2-3 Gal β1-4 (Fuc α1-3) GlcNAc-R)と類似した構造が発現している事を見出した。 本年はsialyl-Lewis^xが、心疾患患者から高頻度に分離されるStreptococcus gallolyticus (S.bovis biotype 1)に発現しているか否かを、抗sLe^xモノクローナル抗体を使用した酵素免疫測定法及び免疫組織電子顕微鏡法にて解析した。その結果、ヒトの心内膜炎や菌血症患者より分離したS.gallalyticusに強度にsLe^x様構造が発現し、他のヒト以外の動物から分離したS.gallolyticusにはほとんど発現していなかった。この事実は、sLe^x様構造が強度に発現しているS.gallolyticusは、原発巣から血行性のあるいはリンパ行性のtranslocationをきたす機構において、癌細胞の転移機構と同様に重要な病原因子となる可能性を示唆するものである。 以上、得られた所見はレンサ球菌によって惹起される心臓疾患の発症機序の解明に役立つものと考えられる。
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