研究概要 |
まずシクロペンタジエノン等価キラル合成素子に関しては従来法に勝るキラルシクロペンタジエノンシントンの合成法を確立した.すなわち従来のエキソアルコール基質へのリパーゼ分割法の適用にかえてエンドアルコール基質について検討したところ完璧な選択性で両対掌体を得,これを酸化することによって再結晶による精製なしにケトジシクロペンタジエン,すなわちシクロペンタジエノンシントンの両対掌体に到る合成法を確立した.これより,queuosineのシクロペンテンジオール部の効率的合成法を確立した.さらにこの間,コントラステリックなDiels-Alder反応を見出し効率的なキラルなケトジシクロペンタジエンを得る別法も見出し,これよりプロスタグランジン中間体に到る簡便法を確立した. 一方,シクロヘキサジエン等価キラル合成素子に関しては,従来の酵素法にかわる画期的なキラルリガンド存在下のロジウム(I)塩を用いる異性化法を確立した.本法は酵素法よりやや光学的に劣るものの97%eeに達するエナンチオ選択的な結果を酵素法に勝る化学収率と短時間さでもたらした. 得られたシクロヘキサジエノン素子の利用によってポリオキシシクロヘキサン天然物あるいは活性型ビタミンD鍵中間体の合成法を確立した.
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