研究概要 |
1991年に沖縄産の海綿Polyfibrospongiaから発見されたヘンオキサゾール類(A-D)に注目し、これの全合成を行っている。その構造はピラン環、ビスオキサゾール環、非共役トリエン、5個の不斉中心を含んでいる。ピラン環上の一部の相対配置が明らかにされたが絶対配置は未確定である。この合成研究ではヘンオキサゾールAの立体選択的合成法の確立と同時に未確定の絶対配置の決定を行なう。まず始めに(2S,4S,6S,8S,22S)-体を標的化合物としてテトラヒドロピラン部分とトリエン部分の合成研究を行なった。 トリエン部分については(R)-3-ヒドロキシ-2-メチルプロピオン酸メチルを出発原料として炭素鎖を延長し望みのトリエン部分の構造を合成した。 テトラヒドロピラン部分については市販の(S)-1,2,4-ブタントリオールを出発原料し、1,2-ジオールをペンチリデンケタールで保護し、残った水酸基をアルデヒドとした後、立体選択的アリル化反応、Wacker酸化をへてテトラヒドロピラン部分の構造を合成した。 現在ヘンオキサゾール骨格の合成を検討中である。
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