研究概要 |
薬用食物4種、ショウガ(根茎)[生薬名:生姜、乾姜]、クワイ(塊茎)[慈姑]、タラノキ(根茎)[刺老鳥]及びトチノキ(種子)[婆羅子]について以下の知見を得た。 1.抗アレルギー活性成分の探索: ショウガ乾燥根茎とクワイ塊茎のメタノール抽出エキスに、in vitroでの作用の薬効評価法であるラット腹腔肥満細胞からのヒスタミン遊離抑制作用などやin vivo試験として、マウスモノクロナールIgEで感作したラット受身皮膚アナフィラキシ-(PCA)反応に対する抑制作用が認められた。そこで、これらのin vitro及びin vivoでの抗I型エレルギー作用試験結果を指標にして活性成分を探索した結果、ショウガ乾燥根茎から6-及び8-shogaolと6-gingerolに強い活性のあることを見い出した。また、クワイ塊茎から新規活性成分として、trifolione A,B,C,Dを単離し、それらの化学構造を明らかにした。 2.血糖値上昇の抑制作用成分の探索: ラットのグルコース及びショ糖強制付加モデルを用いて、タラノキ根皮及びトチノキ種子の糖吸収抑制成分を探索した。その結果、新規活性成分としてタラノキ根皮からelatosideA,B,Eなどを得るとともに、トチノキ種子からescin Ia,Ib,IIa,IIb,IIIaを単離して、それらの化学構造を明らかにした。さらに、脱アシル化誘導体や糖鎖構造の異なる類縁化合物を化学誘導し、それらの抑制活性を比較検討した結果、糖鎖構造の違いやアシル基及びカルボキシル基の有無が活性発現に大きく寄与するなど構造と活性について興味深い知見を得た。この様に平成6年度に計画した研究目的や研究計画をほぼ完全に達成した。
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