研究概要 |
本研究は、高選択的蛍光試薬の利用を中心に、数種の生理活性アミンの高感度FIA法およびHPLC法の開発を目的に平成6年度から平成7年度の2年間で実施したものであり、以下のような研究成果を得ることができた。 1.ヒスタミンのHPLC法とFIA法の開発 ヒスタミンと速やかに反応して発蛍光するオルトベンツアルデヒド(OAB)、特異的に反応して安定な発蛍光体を生成する4-ブロモ-1,2-ベンゼンジカルバルデヒド(BBDA)をそれぞれ蛍光ラベル化に用い、ヒスタミンの高感度HPLC法および高速FIA法を開発した。前者は生体組織中のヒスタミン簡易測定法として応用可能であった。 2.グルタチオン(GSH)およびスペルミジンの高感度HPLC定量法の開発と応用 上記のOABをGSHのプレカラム蛍光ラベル化に利用して、赤血球および血漿GSHの測定に応用可能なGSHの高感度HPLC法を開発した。また、スペルミジンに高選択性なオルトフタルアルデヒドによる蛍光反応をプレカラム蛍光ラベル化に利用するHPL法と、ミニカラムによる前処理法を組み合わせ、ヒト血清中のスペルミジンの交感度定量法を確立した。 3.フェニルアラニンおよびビオシチンの高感度HPLC定量法の開発と応用 フェニルアラニンをフェニルアラニアンモニアリアーゼでケイ皮酸に変換し、この酵素反応とHPLC法を組み合わせ、尿、血清および血液ろ紙中フェニルアラニン定量法を開発した。また、一級アミンに選択的な2,3-ナフタレンジカルバルデヒドをプレカラム蛍光標識試薬として用いるビオシチンの高感度HPLC法を確立し、イオン交換ミニカラムによる前処理法を組み合わせて、尿中ビオシチンの特異的定量法を開発した。
|