研究概要 |
1.試薬の合成:カルボン酸及びアミン類の、レーザー(He/Cd)励起HPLC用プレラベル蛍光誘導体化試薬として、それぞれ下図の試薬I及びII(フェナンスロベンズイミダゾール誘導体)を新規に合成した。合成は9,10-ジアミノフェナンスレンとベンズアルデヒド誘導体との反応生成物を、ヒドラジンあるいはチオニルクロリドと処理することにより行った。 2.基本的HPLC法の開発:カルボン酸は試薬Iと水溶性カルボジイミド(EDC)の存在で、水溶液中、37℃、20分間反応。アミン類は試薬IIとK2CO3の存在で、水溶液中、37℃、2〜3分間反応した。各誘導体を逆相HPLC(通常及びミクロボアカラム)により分離し、He-Cdレーザー(出力、10mW)蛍光により検出(460nmバンドパスフィルター)する。 3.結果及び考察:試薬I及びIIの誘導体はいずれも、励起波長を325nmに有し、He/Cdレーザー光源に最適であった。これによる通常のカラム及びミクロボアカラムによる検出限度は、それぞれ400-800amol及び50-100amolであった。これらの試薬類はいずれも水溶液中、緩和な条件で、カルボン酸、アミン類と反応する。従って、熱や光に不安定な生体成分、医薬品の超高感度分析への適応に有用と考える。
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