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1994 年度 実績報告書

B_1-アドレナリン受容体の調節機構

研究課題

研究課題/領域番号 06672171
研究機関東京大学

研究代表者

黒瀬 等  東京大学, 薬学部, 助手 (10183039)

キーワードB_1-アドレナリン受容体 / cAMP依存性リン酸化酵素 / 受容体キナーゼ / 脱感作
研究概要

B_1-アドレナリン受容体(B_1-AR)のアゴニスト刺激によって引き起こされる活性調節のメカニズムを明らかにする目的で、以下の実験を行った。まず、B_1-ARは促進性G蛋白質(G_S)を介してアデニル酸シクラーゼを活性化する。その結果として細胞内cAMP量が増加し、cAMP依存性蛋白質リン酸化酵素(PKA)が活性化される。B_1-ARにはPKAによってリン酸化される部位が一カ所存在することから、この部位のセリンをアラニンに変えた変異受容体(PKA変異受容体)を作製した。また、細胞内のカルボキシ末端にもPKA以外の蛋白質リン酸化酵素(おそらく活性化された受容体のみをリン酸化する受容体キナーゼ)によってリン酸化される可能性のあるセリンおよびスレオニンが存在するすることから、この部位を含まないカルボキシ末端を削除した変異受容体(削除受容体)も作製した。野生型受容体、PKA変異受容体および削除受容体を細胞に安定かつ恒常的に発現させた。これらの受容体を発現している細胞をアゴニストで刺激し、細胞膜のアデニル酸シクラーゼ活性を測定すると、野生型受容体およびPKA変異受容体はアゴニスト前処理により脱感作されたが、削除受容体はほとんど脱感作されなかった。この結果は、B_1-ARの脱感作はPKAによるリン酸化が主要な経路であるという従来考えられてきたことを否定するものであり、今回の一連の実験により初めて明らかにされた。この先、削除受容体に存在しないカルボキシ末端をリン酸化する受容体キナーゼの性質を明らかにした後、投稿する予定である。

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公開日: 1996-04-08   更新日: 2016-04-21  

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