研究概要 |
ヒトグリア芽腫の無血清培養上精中に、トリプシンの活性を阻害するインヒビターを見出し、部分構造を決定し、その遺伝子をクローニングしたところ、部分配列のみが報告されていたplacental protein5と一致した(日本癌学会総会(名古屋)、Fifth international Congress of the Matastasis Research Society(Bethesda,MD,USA),J.Biochem.116:939)。 ヒト膀胱癌細胞株の無血清培養上精中に、細胞接着を促進する因子(TAF)を見出し、性質を解析し、構造を決定し報告した(生化学会(大阪)、日本癌学会総会(名古屋)、Fifth International Congress of the Matastasis Research Society(Bethesda,MD,USA),Biochem.Biophys.Res.Commun.198:1046)。 ヒト胃癌細胞株から分泌されているトリプシン様酵素を精製し、構造決定したところ、トリプシノーゲン1であることが判明した(Biochem.J.303:187)。 またこの細胞から無血清で増殖する細胞株を樹立し、その性質を解析している過程でトリプシノーゲン遺伝子の発現が、血清やサイトカインなどにより抑制的に発現が調節されていることを見出し報告した(生化学会(大阪)、Chiba International Symposium on Cancer(Chiba))。 ヒト卵巣癌細胞株の無血清培養上精中に分泌されるプロテアーゼとインヒビターの同定を行い、癌細胞の悪性度とプロテアーゼの亢進との相関を明らかにした(Jap.J.Cancer Res.in press)。また、特に悪性度の高い粘液腺腫由来の癌細胞株が宿主の正常細胞に働きかけ、メタロプロテアーゼの分泌を促進している機構を明らかにした(Clin.& Exp.Meta.in press)。
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