研究概要 |
本研究は、レギュカルチン遺伝子(DNA)の構造を同定し、その遺伝子発現の調節因子について、レギュカルチンの役割との関連で、究明することを目的としている。本年度において得られた成果は以下のとうりである。 1)レギュカルチン遺伝子はエクソン構造を7個持つ、約20kbの大きさであった。 2)レギュカルチン遺伝子のS'側上流のプロモーター領域を推定し、AP-1,AP-2などの転写因子結合配列が存在していた。 3)レギュカルチン遺伝子がX染色体の長腕(Xq11.2-12)に存在することを明らかにした。 4)レギュカルチン遺伝子は、ヒト、ラット、マウス、ウシなどに存在しているが、酵母には存在せず、高度に分化した蛋白質をコードしているものと推定された。 5)レギュカルチンのmRNAは、ヒト、ラット、マウス、ニワトリにおいて発現していることをレギュカルチンcDNAを用いて、ノーザンブロット法で明らかにした。 6)レギュカルチンのmRNAはラット肝癌細胞においても発現していることが明らかにされた。なお、癌細胞においては、アルブミンmRNAの発現はきわめて減弱されていることがわかり、レギュカルチン遺伝子発現と異なることが推定された。
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