研究概要 |
1.脳虚血による自発的交替行動の障害に対する作用 自発的交替行動は5分間の脳虚血で有意に阻害された.Dynorphin A-(1-13)(10μg)およびU-50,488H(30mg)は脳虚血マウスの自発的交替行動の障害を著しく改善した.Nor-binaltorphimine(4μg)はdynorphin A-(1-13)およびU-50,488Hによる改善作用に明らかに拮抗した.なお,アーム(arm)への侵入回数については有意差が見られなかった. 2.脳虚血による受動的回避学習の障害に対する作用 脳虚血により受動的回避学習は有意に阻害されたが,dynorphin A-(1-13)(10μg)およびU-50,488H(30mg/kg)はその阻害を有意に改善した.Nor-binaltorphimine(4μg)はdynorphin A-(1-13)およびU-50,488Hの作用に拮抗した. 3.Pirenzepine誘発自発的交替行動障害に対する作用 Pirenzepine(3μg)により自発的交替行動は有意に阻害された.Dynorphin A-(1-13)(3および5.6μg)およびU-50,488H(0.3および1mg/kg)は,Pirenzepine(3μg)による阻害を有意に改善した.Nor-binaltorphimine(4μg)はdynorphin A-(1-13)およびU-50,488Hの作用に拮抗した. 4.Scopolamine誘発自発的交替行動障害に対する作用 Scopolamine(1mg/kg)により自発的交替行動は有意に阻害されたが,substance P(0.01-1μg)はその阻害を有意に改善した.WIN62577(1mg/kg)はsubstance P(0.1μg)の作用に拮抗した.
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