研究課題/領域番号 |
06672249
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研究機関 | 筑波大学 |
研究代表者 |
岡村 健二 筑波大学, 臨床医学系, 助教授 (90101419)
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研究分担者 |
大滝 純司 筑波大学, 臨床医学系, 講師 (20176910)
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キーワード | 卆後臨床研修 / 研修評価 / 初期臨床研修 / ロ-テーション・カリキュラム / プライマリ・ケア / ターミナル・ケア / 医療の社会的側面 / 研修評価のフィードバック |
研究概要 |
1.研修評価の体系化:研修評価をレビューし、研修実質の向上のための体系化を試みた。1988年度までのチーフ課程修了者の研修評価値を調査した結果、知識、技能についてはジュニア、シニア、チーフと課程の進級とともに評価値の有意な向上が認められたが最も困難とされる態度については向上が認められなかった。そこで1990年度から研修評価の本人に対するフィードバックによる問題の解決をはかってきた。90年から93年度までのチーフ課程修了者の評価値を調査したところ知識、技能のみならず態度についても有意な改善が認められ、従来行われてきたチーフ課程修了時における第三者評価とともに、研修評価のフィードバック(課程途中における研修評価の自己確認と足らざる点の指導、チーフ課程修了時における研修評価表の授与)を研修評価の基本とした。各自の自己評価システムの体系化については今後の研究課題である。 2.研修カリキュラム・データベースの構築:1975年から90年までの過去15年間における人口構造の変化とそれに付随した疾患構成の変化について調査した。人口構造では65才以上の人口が75年の7.9%から90年には12.1%と約1.5倍に著増した。この65才以上人口は90年における調査において平均で65歳未満より約3.5倍の罹病率を示し、また全ての疾患領域で未満より高い罹病率を示したが中でも循環器の疾患が15.6倍、新生物が9.7倍と著しい値を示し、21世紀初頭には20%を越えるとされる65才以上の人口が既に現実となっている僻地診療の実地調査において、この傾向が一層顕著であった事実は、高齢化社会に向けた初期臨床研修におけるロ-テーション・カリキュラムによる救急医療を中心としたプライマリ・ケア研修、ターミナル・ケア研修、そして医療の社会的側面の研修の一層の充実を求める結果となった。それを具体化するためのカリキュラムのデータベース化が今後の研究課題である。
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