研究課題/領域番号 |
06672249
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研究機関 | 筑波大学 |
研究代表者 |
岡村 健二 筑波大学, 臨床医学系, 助教授 (90101419)
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研究分担者 |
大滝 純司 筑波大学, 臨床医学系, 講師 (20176910)
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キーワード | 研修評価 / 卒後臨床研修 / ロ-テーション・カリキュラム / プライマリ・ケア / ターミナル・ケア / 総合医 / 地域医療研修 / 僻地医療研修 |
研究概要 |
研修評価の体系化:平成6年度の研究で研究内容の質の向上に有用性が確認された新しい研修評価システムがその後の追跡調査等を含めた検討において研修制度の重要な事項の一つとして位置づけることが確認され、研修評価の体系化の重要な一部が確立された。さらに研修評価システムを確立するのに重要とされる自己評価システムの導入に関する基礎的研究に着手した。今回は試験的に研修プログラムに記載された総合医コースについてパソコンを用いた自己評価システムソフトを開発しその有用性について検討した結果、紙に書く方法に比べて、繰り返し利用できるうえに、全体の到達度や研修の偏りなどを概観することも容易であり、研修の質の向上に有用であることが確認された。今後は全ての養成コースの研修プログラムのソフト開発に着手するとともに、指導教官も一緒にチェックできるように病院内医療用コンピューターシステムの一部として運用できるシステム開発を検討している。2.研修カリキュラム・データベースの構築:平成6年度の研究結果から高齢社会を迎えつつある現在、将来に求められる研修カリキュラムはプライマリ・ケア、ターミナル・ケア、医療の社会的側面(医療経済、医の論理など)の一層の充実であることが明らかとなった。これを受けて既に高齢社会を迎え、その医療への対応に取り組んでいる僻地医療の実情調査、また地域の中核病院での診療実情調査を行なった結果、在宅ケアや福祉を含めた、あるべき医療を研修できる場であることが確認された。急激に増加を続ける医師の活動の場の調査から1955年には約3分の2を占めた診療所医師は1992年には約3分の1に激減し、その分が大学病院などに吸収されていること、また診療科数の調査で55年に55%あった複数科回答者が92年には35%に激減していることを考慮するとき、義務研修制度が検討されている現在、高齢社会でのあるべき医療として家庭医制度の導入、その研修カリキュラムの一部として僻地を含めた場でのプライマリ・ケア研修等の一層の充実が求められ、その実現に向けた研修制度の抜本的改革の基礎的研究が今後に託された課題である。
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