研究課題/領域番号 |
06672255
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研究種目 |
一般研究(C)
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
医療社会学
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研究機関 | 日本大学 |
研究代表者 |
寺崎 仁 日本大学, 医学部, 講師 (90227512)
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研究分担者 |
梅里 良正 日本大学, 医学部, 助教授 (60213485)
大道 久 日本大学, 医学部, 教授 (60158805)
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研究期間 (年度) |
1994 – 1995
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キーワード | 医療施設連携 / 大学病院 / 特定機能病院 / 患者紹介率 / 情報システム |
研究概要 |
平成4年の医療法改正により、新たな医療施設体系として「特定機能病院」と「療養型病床群」が創設された。これは、わが国の医療施設の機能に応じた役割分担と連携を推進し、地域における患者への医療提供を「最適化」しようとするものである。「特定機能病院」は、主に大学病院などを想定したものであり、高度な医療を患者に提供することや、高度医療の研究開発と評価、およびその研修などの機能が求められている。そして、患者への高度な医療の提供は、他の医療施設から紹介された患者に提供する医療とされ、この「特定機能病院」では外来初診患者に占める紹介患者の割合を、30%以上としなければならなくなった。 日本大学医学部附属板橋病院では、平成5年11月にわが国の大学病院では初の「特定機能病院」として承認され、今後の大学病院における外来診療のあり方などを視野に入れながら、地域の医療機関との適切な役割分担と連携を進めるための様々な方策を検討してきた。そして、そのための基礎的な資料の収集を目的に、当院の医療圏と想定した約4,000の地域医療機関を対象に、「大学病院との医療連携に関する意向調査」を行った。その結果、調査票回収率が65.5%と郵送法による調査としては極めて高い回収率が得られ、回答施設の47%は今まで当院に患者を紹介した経験のない医療施設からのものであった。そして、8割を超える医療施設が当院との連携を希望しており、さらに逆紹介患者の受入れについても9割以上が同意するなど、医療連携に関する地域医療機関の高い関心と意欲が伺われた。また、本調査では当院に希望する今後の対応などについても回答を求め、それに基づき当院の診療案内や逆紹介時に参考とする診療機能の登録などを呼びかけた。現在、2186施設の地域医療機関の診療機能情報が当院に登録されており、このような取り組みにより当院の紹介率は急速に上昇するなど一定の成果を挙げている。
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