1.長期療養施設に関する文献の収集および検討(細井) 厚生省「老人保健施設実態調査」・「国民生活基礎調査」などの統計報告書の収集、わが国の相談業務の実情について、文献的考察をおこなった。医療心理学・臨床心理学などにおける施設内の高齢者と家族に関する事例報告などの収集および文献的考察をおこなった。 2.老人保健施設における入所者の相談ニーズに関する実態調査(細井・大道) 家庭復帰を目的とする通過施設の老人保健施設において、施設から家庭への移行をする際の医療・看護・介護ニーズに加え、家族関係を含めた心理的・社会的ニーズにを明らかにし、相談業務の機能および地域ケアとの連携について検討した。 1)在宅療養支援の社会機能は、単独世帯・夫婦のみ世帯だけでなく、同居家族のいる要介護者や家族に対しても考える必要があるということが明らかになった。 2)在宅療養を円滑にさせるには、施設への再入所を容易にする受け入れ体制や家族への心理的支援・介護知識の提供が必要であるということが明らかになった。 3)相談業務において家族関係を適切に調整し、その家族介護力(家族が受け入れて介護する能力)を十分把握した上で、施設サービスを含む地域の社会資源との連携を図ることが、要介護の高齢者に適切な処遇をおこなう上で重要であることが示された。
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