研究課題/領域番号 |
06672258
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研究種目 |
一般研究(C)
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
人類遺伝学
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研究機関 | 京都大学 |
研究代表者 |
巽 純子 京都大学, 医学研究科, 助手 (80128222)
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研究分担者 |
武部 啓 京都大学, 医学研究科, 教授 (10028318)
宮越 順二 京都大学, 医学研究科, 講師 (70121572)
錦織 千佳子 京都大学, 医学研究科, 助手 (50198454)
八木 孝司 京都大学, 医学研究科, 助教授 (80182301)
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研究期間 (年度) |
1994 – 1995
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キーワード | 色素性乾皮症 / DNA修復 / 遺伝病 / 突然変異 / 皮膚がん / 紫外線 |
研究概要 |
過去の結果を含めた現在までの日本人XPの相補性群はA群120例、B群0例、C群8例、D群15例、E群10例、F群17例、G群1例となった。日本人A群XP患者のXPA遺伝子の突然変異を制限酵素多型で検索した結果、56例のAlwNI-/-(intron3,G→C)、4例のAlwNI+/-and HphI-/+(codon228C→T)、2例のAlwNI+/-and MseI-/+(codon116T→A)、1例のAlwNI+/-and MacII-/+(codon225G→C)、1例のAlwNI-/-and MseI+/-、2例のHphI-/-患者を見いだした(過去の報告を含む)。2例を除く全ての患者はAlwNIの突然変異をホモまたはヘテロに持ち、いわゆるfounder effectが日本人A群XP患者に顕著に見られることがわかった。臨床症状が軽いA群XP患者を見いだし、患者のXPA遺伝子の塩基配列を決定したところ、片方のアレルではイントロン3の最後の塩基がGからCに、他方のアレルではエクソン5の最後(コドン225)の塩基がGからCに変異していた。この変異はこれまでに報告がない新たな変異である。mRNAをRT-PCR法で増幅し、塩基配列を決定すると、いずれのアレルからのmRNAも異常なスプライシングを起こし、終止コドンを生じていた。しかし、片方のアレルからわずかながら転写されるmRNAとそれによってできる蛋白には機能的に重要な部分(Znフィンガードメイン)が含まれるので、細胞はわずかにDNA修復能を持ち、紫外線感受性が中程度で、患者の症状が軽いと考えられる。我々はanti-ERCC1抗体を用いた免疫学的手法によって、XPF細胞に特異的に欠損する蛋白を探すことを試みた。正常細胞ではERCC1蛋白と120kD蛋白が複合体を形成しているが、XPF細胞ではどちらの蛋白の存在も少ないことがわかった。120kD蛋白はXPF遺伝子産物である可能性が高いと考えられる。
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