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1995 年度 実績報告書

細胞内情報伝達系の動態からみた脳機能改善薬の作用機構の検討

研究課題

研究課題/領域番号 06672272
研究機関京都府立医科大学

研究代表者

橋本 恒一  京都府立医科大学, 医学部, 講師 (00172867)

研究分担者 桂 昌司  京都府立医科大学, 医学部, 助手 (80204452)
キーワード脳機能改善薬 / イノシトールリン脂質代謝回転 / アセチルコリン / モノアミン / 神経活性アミノ酸
研究概要

4種類,6つの脳機能改善薬について脳内ACh,モノアミンおよび神経活性アミノ酸含量に及ぼす影響ならびにイノシトールリン脂質代謝回転系に及ぼす影響について検討し,以下の結果を得た。ビンカミンアルカロイドの投与は,中脳および延髄においてACh含量を有意に低下させ,脳内殆どの部位においてドーパミンおよびセロトニンの代謝回転を上昇させた。また中脳および海馬においてグルタミン酸含量を低下させた。ジヒドロピリジン系の薬剤は,大量投与を行った場合に大脳皮質および小脳においてACh含量を上昇させたが,モノアミン系に対しては影響を及ぼさず,海馬内タウリンおよびグルタミン酸含量を上昇させた。ピリジン誘導体には,脳内ACh含量に影響を及ぼさなかったが,小脳においてDAの代謝回転の増加をもたらし,線条体におけるタウリンおよびグルタミン酸含量の上昇と,海馬におけるタウリンおよびアスパラギン酸含量の低下を招来した。ピロリジン誘導体は,脳内イノシトールリン脂質代謝回転系については,ビンカミンアルカロイド,ジヒドロピリジン誘導体の添加によりにホスホリパーゼC活性が上昇した。ビンカミンアルカロイドは,用量依存的にイノシトールリン脂質代謝回転を増強し,その増強作用の50%は,ムスカリン受容体を介さないものであった。
以上の結果より,今回検討したビンカミンアルカロイド以外の脳機能改善薬には脳内ACh,モノアミンおよび神経活性アミノ酸含量に対して影響を及ぼす可能性を有するものは少ないものと考えられる。イノシトールリン脂質代謝回転系については,ビンカミンアルカロイドに受容体を介する促進作用と受容体を介さない促進作用があることが判明した。

  • 研究成果

    (4件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (4件)

  • [文献書誌] 橋本 恒一: "新規ジヒドロピリジン誘導体AE0047の脳内モノアミン,アセチルコリンおよび神経活性アミノ酸含量に及ぼす影響" 日本薬理学雑誌. 103. 211-217 (1994)

  • [文献書誌] 橋本 恒一: "KC-764連続経口投与の脳内モノアミン,アセチルコリンおよび神経活性アミノ酸含量に及ぼす影響" 基礎と臨床. 28. 2321-2327 (1994)

  • [文献書誌] T.Hashimoto: "Effect of Talipexal on cerebral cholinergic system" Japan.J.Pharmacologg. 67. 228 (1995)

  • [文献書誌] T.Iino: "Effect of Vinconate on the release of striatal dopamine(PA) and serotonin(5-HT)in the freely moving analysis using in vivo microdialysis" Japan.J.Pharmacology. 67. 235 (1995)

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公開日: 1997-02-26   更新日: 2016-04-21  

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