研究課題/領域番号 |
06672276
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研究種目 |
一般研究(C)
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研究機関 | 北里大学 |
研究代表者 |
原田 芳照 北里大学, 医学部, 助教授 (20050677)
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研究分担者 |
畑中 公 北里大学, 医学部, 助手 (00228470)
川村 道子 北里大学, 医学部, 助手 (00154104)
馬嶋 正隆 北里大学, 医学部, 講師 (70181641)
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キーワード | カラゲニン胸膜炎 / シクロオキシゲナーゼ-2 / プロスタグランジン / 非ステロイド性抗炎症薬 |
研究概要 |
1.COX-2を発現する細胞の同定と発現レベルの経時変化 (1)COXの検出:カラゲニンを胸腔内に注射して炎症を惹起したラットの胸腔内各組織および浸潤白血球からCOXの検出を試みた。COX-1は浸潤白血球は勿論、縦隔膜、横隔膜および脂肪組織から検出された。一方COX-2は浸潤白血球だけから検出された。Northern hybridizationによってもCOX-2 mRNAが検出された。更に、炎症惹起ラットの腎・胃・肺・脳・末梢血白血球ではCOX-1のみ検出され、COX-2は検出されなかった。 (2)COX-2発現細胞と発現レベルの経時変化:カラゲニンを注射すると3-5時間後にかけて浸潤細胞の数が急激に増加し、5時間後では約16x10^7となり、その後徐々に増加し、19時間後では24x10^7と成った。5時間までの急激な増加は主に多形核白血球、その後のゆっくりした増加は主に単核球の増加によっていた。浸潤白血球の蛋白当りのCOX-2発現量を比べると、5-7時間後が最も高いレベルにあり、その後、徐々に減少し19時間後では検出限界程度の発現量であった。一方、COX-1の発現レベルは殆ど変らず、一定であった。COX-2発現レベルのこのような時間経過は報告者らが既に報告した滲出液中のプロスタグランジン類の経時変化と非常に良く一致していた(Prostaglandins,23:881-895,1982.)。浸潤白血球を単核細胞と多形核細胞に分画してWestern blotを行なうと、単核細胞の方が多形核細胞よりCOX-2発現レベルが高かった。 2.選択的COX-2阻害薬の検索 (1)反応条件の検討:インドメタシン、NS-398を標準薬として用い、反応条件の検討を行なった。これらの薬物と酵素とのpre-incubation timeが阻害活性に影響することはすでに報告がある。報告者らはこれらの報告を追認すると共に、更に基質濃度、反応温度によっても影響されることを見出した。 (2)薬物のCOX-2選択性:インドメタシンがCOX-1に対して約30倍、NS-398がCOX-2に対して約30倍選択性を示す条件で各薬物の阻害活性を調べると、nimesulideがNS-398と同等のCOX-2選択性を示した。オキシカム系薬物であるピロキシカムはCOX-1選択性を示すがメロキシカムはCOX-1・COX-2を同等に阻害した。
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