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1995 年度 実績報告書

白血病細胞にアポトーシスを誘導し正常免疫細胞に毒性を示さない天然有機化合物の研究

研究課題

研究課題/領域番号 06672279
研究機関東京薬科大学

研究代表者

平野 俊彦  東京薬科大学, 薬学部, 助教授 (90173252)

キーワードヒト白血病細胞株 / 天然有機化合物 / アポトーシス誘導作用 / ヒト末梢血リンパ球 / マイトゲン応答性増殖 / 細胞毒性 / ユリ科由来ステロイド
研究概要

平成7年度は、ヒト白血病細胞株HL-60とMOLT-4の細胞増殖、及び正常ヒト末梢血リンパ球のマイトゲン応答性増殖に対する、30種の新規ユリ科ステロイドの効果を検討した。このうち数種が、強い白血病細胞増殖抑制効果を示した(IC50<100ng/ml)。中でも、22-ホモ-23-ノルコレスタングリコシド(I)は、既存の抗癌剤とはぼ同程度の抗白血病効果を示した(IC50<10ng/ml)。しかし、これらの化合物の細胞毒性は比較的強く(IC50<100ng/ml)、殺細胞効果によって白血病細胞増殖を抑制するものと思われた。同様にIは、ヒトリンパ球増殖に対する効果も強く、ヒト増殖細胞に対して非選択的に抑制効果を示すことが示唆された。
上記化合物のHL-60細胞に対するアポトーシス誘導作用を検討したところ、IがHL-60細胞にアポトーシス小体の形成を導く効果のあることが分かった。そこでIのアポトーシス誘導作用を、更に詳細に検討した。I処理したHL-60細胞のDNAは断片化し、また細胞周期に変化の現われていることが、アガロースゲル電気泳動及びフローサイトメトリーによって確認された。IによるHL-60細胞のアポトーシスは、Caイオンによって促進され、逆にZnイオンで阻害された。
以上平成7年度は、30種のユリ科植物由来ステロイドの中から、アポトーシス誘導性抗白血病化合物として、Iの有用性を示した。しかしIは、平成6年度に報告したタンゲレチンに比べると、抗白血病増殖抑制効果は強いものの細胞毒性も強く、正常ヒトリンパ球に対しても有害な作用を示すものと思われた。

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公開日: 1997-02-26   更新日: 2016-04-21  

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