研究課題/領域番号 |
06672289
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研究種目 |
一般研究(C)
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
病態検査学
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研究機関 | 岐阜大学 |
研究代表者 |
牧野 和彦 岐阜大学, 医学部, 助手 (80181618)
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研究分担者 |
野間 昭夫 岐阜大学, 医学部, 教授 (30208384)
安倍 彰 岐阜医療技術短期大学, 教授 (30175898)
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研究期間 (年度) |
1994 – 1995
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キーワード | Lp(a)リポ蛋白 / アポ(a) / 構造変異性 / 表現型 / 遺伝型 / allele number |
研究概要 |
1984年Flessらは密度勾配超遠心法を用いてLp(a)リポ蛋白を構成するアポ(a)にサイズ変異性のあることを報告した。1987年にUtermannらによってアポ(a)のサイズ変異性、すなわちイソ型の分離法及び概念が確立された。これと時期を同じくして、McLeanらによりアポ(a)蛋白の一次構造が決定され、プラスミノゲンときわめて高い相同性のあることが報告された。その後の研究によりアポ(a)の分子サイズ変異性はアポ(a)を構成するクリングル4の繰り返えし数に由来することが解明され、その後種々の方法によるイソ型分画法が報告された。 我々はUtermannらの方法による日本人のLp(a)イソ型頻度分布を既に報告しているが、今回は健常者87名の検体を用いて、(1)Lp(a)表現型分折キット(三和化学)により分画し、Amplified Alkaline Phosphatase Immune-Blotキット(バイオラッド)を用いてウエスタンブロットにより検出したものをコンピュータ解析によってallele numberを読みとった。一方、(2)血液からDNAを抽出し、KpnI制限酵素で切断処理したDNA断片をパルスフィールドゲル電気泳動によって分離し、プラスミドから得たクリングル構造とハイブリダイズしてLp(a)遺伝型を決定し、比較した。 上記高感度表現型分類ではnull型はなく、ヘテロ型の頻度は79.5%であったのに対し、遺伝型では88.6%であった。両法のallele numberの頻度はきわめてよく類似し、ヒストグラムは共に二峰性を示し、この頻度はKraftらの報告したチロル地方人の頻度と近似していた。 以上のごとく、従来より用いてきた6種のイソ型分類だけでなく、高感度検出法を用いるとallele numberが推測でき、繁雑な遺伝型分類を用いなくても、Lp(a)遺伝のより詳細な情報が得られることが判った。
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