研究概要 |
1.巨核球分化特にendomitosisを制御する機構に低分子量G蛋白であるrhoがどのような役割を果たすか検討した。巨核球性細胞株CMKはrho A,B,C mRNAを発現し、rho蛋白がC3 exoenzyme(C3)によってADP ribosylationされることを明らかにした。C3添加によってCMKはDNA含量を増加させ、GPIIb/IIIa抗原を増加させた。巨核球中のrho蛋白がendomitosisを制御する細胞内刺激伝達系として重要な役割をしていること明らかにした(The involvement of the rho geneproduct, a small molecular weight GTP-binding protein, in megakaryocyte polyploidization,投稿中) 2.Megakarocyitc sarcomaで発症した患者から巨核球性白血病細胞株を樹立した。この細胞は正常血小板と同じ膜糖蛋白を強く発現しており、このadhesive proteinがsarcomaを招来した一つの原因であると推測した。さらに興味あることにこの細胞はphorbol esterによって分化傾向を示さず、またIL-3.IL-6,LIFなどによっても増殖・分化の傾向を示さなかった。しかしGATA-I,GATA-II遺伝子は正常と同じように発現していた(Annals Hematol. 68:145-151,1994)。 3.5q-症候群で血小板増加を伴った症例で無効造血を示唆する微小巨核球がαインターフェロン投与で消失し、MDS症例の一部がαインターフェロン投与で寛解する例があることを見出した(臨床血液36:18-22,1995)。 4.骨髄穿刺液0.5mlを使ってDNA含量とGPIIb/GPIIIa抗原を同時に測定する方法を確率した。
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