研究概要 |
(1)各種の鉄欠乏性貧血患者の巨核球ploidyは16Nにピークを持つ正常パターンを示し、又血中IL-3, GM-CSF, IL-6値に増加は見られず、鉄欠乏性貧血患者の血小板増多は既知のサイトカインとは別のサイトカインによって制御されている可能性が示唆された。 (2)自己貯血(800〜1200ml)を行うとほぼ全例に血小板増多が認められたが、巨核球ploidyは正常パターンを示し、血中IL-3, GM-CSF, IL-6値に増加は見られず、鉄欠乏性貧血時と同様に貯血時の血小板増加は既知のサイトカインとは別のサイトカインによって制御されている可能性が示唆された。 (3)ラットに体重2%当たりの瀉血を計3回実施すると全例に血小板増加が認められた。しかし増加した血小板平均容積、血小板平均幅はcontrol群と変わらず瀉血によって増加する血小板は幼弱な血小板とは考えられなかった。またIL-3添加によるCFU-Meg形成能は増加しておらず、初期の段階のmegukaryopoiesisは亢進していないと考えられた。しかし瀉血後の巨核球数とsizeは有意に増加しており、鉄欠乏性貧血や瀉血の際に見られる血小板増加は成熟した巨核球を刺激する因子によって制御されることが示唆された。 (4)血小板増加を伴った5q-症候群に対するαインターフェロン治療の有用性を見出した。
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