GLP-1のbrain-gut hormoneとしての生理的役割を明らかにするため、膵外作用と考えられる下垂体前葉に対する生理作用を検討した。 ラットにGLP-1の活性型であるGLP-1(7-36)amideを静脈内に単回投与して経時的に採血し、RIAにより血漿中のimmunoreactive GLP-1(7-36)amide、インスリンおよび下垂体前葉ホルモン(GH、PRL、TSH)濃度を測定した。 GLP-1(7-36)amideの投与により、血漿中のIR-GLP-1(7-36)amide濃度は、投与後15分では前値の約5倍まで上昇し、これに対応して血漿IRI濃度も上昇した。 一方、下垂体前葉ホルモン濃度は、血漿TSHは変化がみられなかったのに対し、血漿GHおよびPRL濃度は投与後15-30分で明らかに低下した。 その結果、GLP-1はbrain-gut hormoneとして作用する可能性を示唆し、併せて下垂体におけるGLP-1の結合部位の存在を裏付けた。
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