研究概要 |
慢性関節リウマチ(RA)患者滑膜より樹立されたA型様細胞がエンドセリン,アルカリフォスファターゼ(ALP)を分泌することを見出し、その性状を検討してきた。本ALPは電気泳動上、α1〜β域に広く泳動され、ノイラミニダーゼ処理により影響がみられ、56℃,10分の加熱に耐熱性で、L-シスチン,L-フェニルアラニンで阻害された。小麦胚芽由来レクチンで沈降され、抗ALP3およびALP4抗体と反応するhybrid型ALPと考えられた。 今年度はRAや種々疾患患者血清中の本ALP活性について検討した。スクリーニング法としては血清を56℃30分加熱し、残存ALP活性を検出した。耐熱性の胎盤型ALPは通常の血清中には見出されず、本条件で残存するALPは今回検討対象としたものであると考えた。関節液では耐熱性ALPが30%以上を占める例が認められ、血清では約10%残存例が見出された。RAではStageIII,IV例でI,II群例より多かった。 本ALPの関節病変との関連が興味が持たれる。
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