本研究は、高齢者の特性や疾患との関連に留意しながら、本院に入院中の高齢者に必要な看護ケアの必要量を測定し、高齢者看護の適正化を推進していくための指標について研究を行なうという目的で着手した。 研究方法としては、鹿児島大学総合病院情報システム(THINK)の看護システムを中心とする各サブシステムに蓄積されたデータを利用して、高齢入院患者に関するデータ抽出、解析するツールの構築を行った。すなわち、ホストコンピュータから該当するデータをフロッピィディスクに抽出し、それをパソコンに出力した後検索、解析するというソフトウェアを開発した。 抽出するデータとしては、看護システムデータベース(DB)から、過去5年間に蓄積された看護情報の中の高齢者に関するデータ、すなわち、看護度、自由度、問題点、症状、背景及び治療、処置、援助、看護ケア等のデータ、次に、病名登録システムDBより、診断名、さらに医事システムDBより診療報酬請求費明細などである。データ量が多いため最高1年間分のデータ処理を可能とする設計を行なっている。 以上、研究成果としては高齢者看護ケアの特徴を把握するための解析ツールを構築することができたが、これらのツールを利用して実際のデータを処理し成果を出すまでには至っていない。
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