研究分担者 |
大原 美香 兵庫県立看護大学, 看護学部, 助手 (10275315)
志村 満子 兵庫県立看護大学, 看護学部, 助手 (20254477)
若村 智子 兵庫県立看護大学, 看護学部, 助手 (40240452)
柴田 真志 兵庫県立看護大学, 看護学部, 講師 (00254467)
近田 敬子 兵庫県立看護大学, 看護学部, 教授 (10115884)
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研究概要 |
1研究の概要:本年度は,平成6年度実験結果のデータ分析を行い,平成7年1月から3月に研究協力の得られた高齢者5名(平均72.8±1.8歳)を対象に実験を行った。測定条件は昨年と同様,電気毛布及び電気あんかを使用し終夜7時間の睡眠ポリグラフ(SPG),前額深部温,寝床内温湿度を測定した。SPGは国際睡眠判定基準に基づいて判定し,加齢を考慮しFeinberg(1974)に従い,δ波判定基準を75μVから50μVに変更した。 2結果:(1)若年者(n=3):各睡眠潜時では,Stage3,4共に電気敷毛布の方が短かい傾向であった。深い睡眠状態である徐波睡眠(SWS)の30分毎の出現率は,電気敷毛布の睡眠後半において低く,深い睡眠が得られていないと考えられた。前額深部温は,電気あんかに比べ電気敷毛布で高値を示す傾向が見られた。特に睡眠後半においてその傾向が顕著であった。(2)高齢者:先行研究で明らかにされているように,SWSの出現は若年者に比べ大幅に減少した。電気敷毛布の睡眠後半ではSWSの出現が全く見られず,若年者と同様の傾向が見られた。前額深部温は若年者と同様な傾向を示し,特に最低位相からの温度上昇は電気敷毛布の方が高かった。 3考察:入眠時の電気敷毛布の使用は、若年者の場合睡眠潜時を短縮する可能性が考えられた。高齢者では,SWS出現率が低いことから睡眠潜時を睡眠の質の指標とすることは必ずしも有効とは言えないため,両条件間の差異を見出すことは困難と考えられた。しかし睡眠後半においてSWS出現率が電気敷毛布でほとんど見られなかったことは,電気敷毛布による継続的寝床内全体の加温が体温を上昇させ,快適な睡眠を妨げていると思われた。従って高齢者の援助では,睡眠後半の電気敷毛布等による全身加温に比べ,部分加温や加温の中断がより適切であると推察された。
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