研究課題/領域番号 |
06680003
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研究機関 | 宇都宮大学 |
研究代表者 |
臼田 誠人 宇都宮大学, 教育学部, 教授 (40011887)
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研究分担者 |
清水 裕子 宇都宮大学, 教育学部, 助教授 (30143184)
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キーワード | アルキルケテンダイマ / はっ水性 / 綿布 / スプレー法 / コブサイズド試験器 / 洗たく性 / フッ素系はっ水剤 / 布組織 |
研究概要 |
濃度の異なるアルキルケテンダイマのサスペンションを調製し、40番手、60番手木綿及び綿ポリエステル混紡布をサスペンション中に浸漬処理してサスペンション調製条件、布の処理条件がはっ水効果に及ぼす影響を検討し、使用最適条件を求めた。サスペンションを調製するためにホモジナイザでケテンダイマと乳化剤を混合し攪拌速度が12000rpm以下では、はっ水効果が充分には得られなかった。 (1)ケテンダイマの濃度を0.1%から2.0%まで変化させた。濃度の増加と共にはっ水性が高くなる傾向はあるがそれほど顕著ではなく、0.1%液で処理した試料でもかなりはっ水効果が得られた。いずれの試料も耐洗濯性は不十分で、特に0.1%処理試料では4回の洗濯によってはっ水性はほとんど失われた。 (2)用いた試料の種類によりはっ水効果は異なり、40番手綿より綿-ポリエステル混紡試料が高いはっ水性を示した。60番手綿布は糸密度が高く15分処理によってもケテンダイマの布組織構造内への拡散が完全には起こらず、最も低いはっ水性しか得られなかった。0.1%ケテンダイマによる処理では3回の洗濯ではっ水性は完全に失われた。以上の結果よりケテンダイマのうどは0.3%が適当であると結論した。 (3)従来採用されてきたスプレー法に代わって、コブサイズ度試験器を用いて測定した布の吸水量に基づくはっ水度測定法は試料間の相違を定量的に示すことが分かり、適切な方法であると結論した。 (4)ケテンダイマで得られた結果を市販のフッソ系はっ水剤の結果と比較するため、対照実験として0.3%及び0.5%濃度のフッソ系はっ水剤で上記試料を処理してはっ水度の測定行った。洗濯実験も含めてこれらの実験結果は、0.3%ケテンダイマ処理試料のそれらとほぼ同等の値を示し、アルキルケテンダイマによるはっ水処理が有効であることを確認した。耐洗濯性の改善が必要である。
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