研究課題/領域番号 |
06680003
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研究機関 | 宇都宮大学 |
研究代表者 |
臼田 誠人 宇都宮大学, 教育学部, 教授 (40011887)
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研究分担者 |
清水 裕子 宇都宮大学, 教育学部, 助教授 (30143184)
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キーワード | セルロース繊維 / 撥水度試験 / コブサイズ度試験 / アルキルケテンダイマ / アルケニル無水コハク酸 / 撥水剤 / 歩留り助剤 / 耐洗濯性 |
研究概要 |
新しい撥水剤としてセルロースとエステル結合して撥水効果を示すといわれるアルキルケテンダイマ(AKD)及びアルケニル無水コハク酸(ASA)を用いて、撥水剤エマルション調製条件、布の処理法及び処理条件が、処理布の撥水性の発現に与える効果について研究した。これらの新規材料は中性で取り扱うことができ、簡単な処理で撥水効果が得られる。ことを明らかにした。以下に結果を要約する。 1.従来の撥水剤に比較して、極めて小量の適用によって撥水性を得ることができた。 2.AKD撥水剤の布への吸着を確実にするため、0.5-1.0%濃度のカチオンポリマ水溶液で処理した。カチオンポリマはポリアミドポリアミンエピクルヒドリンを用いた。歩留り助剤の処理法は、(1)逐次浸漬法、(2)助剤の後添加法、(3)混合液浸漬法の3方法について比較実験を行い、(2)の後添加法が最も高い撥水性を発現することを見いだした。 3.布の前処理としてNaOH水溶液処理及び液体アンモニア処理を行い、いずれの場合も綿布の比表面積の著しい増加と撥水性の向上を得た。 4.撥水度の測定はJISでは散水法を採用しているが、測定は主観が入り客観性に乏しいので、重量法によるコブサイズ度試験法を採用し良好な結果を得た。 5.AKDもASAもほぼ同じ様な撥水度を示したが、いずれの場合も撥水剤処理後に熱処理を行うことが必要であり、撥水剤の融点よりかなり高い温度が有効であった。尚AKDは熱処理直後より数日後の方が撥水性は向上し、撥水度の評価に際して時間的要因を考慮しなければならない欠点があることが分かった。 6.これら新規材料による撥水効果は、従来用いられてきたシリコン系若しくはフッ素系撥水剤に比肩し得る性能を持っていることが認められたが、耐洗濯性は十分でなく、液体アンモニア処理試料の場合を除いて改善の必要性がある。
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