研究概要 |
【平成7年度】 本年度は,平成7年5月に実施した「シニア女性の衣生活が生活行動に及ぼす影響」のアンケート調査の中に,「夫婦の伴侶性の実態」を明らかにする項目を加えたが,データが比較的大量に得られたことから,この調査結果の分析を行うことに専念した。具体的には,平成6年度に行なった前段階の伴侶性形成に関する調査結果のまとめを,佐賀大学教育学部紀要に投稿した(本来なら提出日が10月末日であったので,本報告書に添付できるはずであったが,学部の事情で1月末日が期限となり現在校正中である)。 6年度の研究結果からは夫婦の伴侶性形成に関しては,行動面で一致,つまり夫婦が共通の話題がもてるように共に行動する機会が必要であることを強調した。7年度の研究結果の概要を簡略に示すと,「夫婦で一緒に買物や観劇などに外出する」場合は,妻の社会参加も盛んであり,またその衣生活もおしゃれに関心が高く,被服及び履物費の支出も比較的多いことが明らかとなった。そこで、夫婦の伴侶性形成の方策については,夫婦の関係のみをみるのではなく,妻と夫の各々の社会に向けられる活動内容や、さらにそのための服装への関心や被服費の支出などを具体的に考えていく必要がある。このように、衣生や生活行動の調査と伴侶性の調査を同時に行なったために,これらの間には関係があるとの仮説を立ててはいたが,仮説が立証され伴侶性形成の具体的な方策の一端を示すことができた。なお、本調査からも,本当に伴侶性形成のうえで問題となる夫婦とは,概数ではあるが全夫婦の約1割であることを示した。 現在,学会誌への投稿のために論文を執筆中である。なお、平成8年度においても本研究課題の研究は継続して行い,当初の計画の通りにアンケート調査か面接調査を行い,伴侶性形成への提言へと成果を上げたいと考えている。
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